軽率生まれ軽率育ち

推しと推し未満と推しの概念のはなし。

舞台「空行」-2017年05月

仕事解禁ラッシュと知らぬ間に入ってるイベントMCについていけないです助けてコ○ジャパンマーン!(助けてはくれないのでこうなってる)

というわけでこんにちは、もう全然忙しすぎて感情が置いてけぼりのしい子ちゃんです。

拝み屋怖いけど面白い!雲霧はもうちょいで出てくるかな!リケ恋終ってしまうけど映画楽しみ~~!!というか劇場版ゾンズのBDももうすぐだ!ってな感じの日々を過ごしています。ほんとはもっと忙しい。そりゃもうすごい…地獄少女のエキストラ行きたかった…(;;)(9月のダイジェストな感情たち)


さて、また出会ったきっかけはすっとばして大好きな作品のDVDがようやく手に入りそうなのでそのお話です。

2017年の5月に富くんは「空行」という舞台に出演されていました。主演でした。

 

allen-co.com

こっちは通販サイト。

Allen suwaru Official Online Shop


原作は無く、いわゆるストレートの舞台。
アマゾンズを見てた時は藤田富くんという個人を認識していたわけではなく、ふとした間にツイッターやってるのかなぁ、なんて思って覗いて出演を知りました。

 

 


丁度このツイートが一番上にあったのを見て知った気がします。

「へえ!悠、舞台やるんだ!」って思った記憶…(まだ富くんを個人と認識していないが故です)

結構行くか悩んでいた気がするんだけどどうだったかなぁ…
結局当初1回でいいか!が2回になって、来週も見ないと死ぬ!って思って増やしたから3回見たのかな?うっわ~軽率。
多ステしがちな時期だったから少ない方だけど急遽だったので他の予定との兼ね合いとかで…
今だったら土日分だけ全通(?)してたかもなぁと思いますが。


正直この舞台を見ていなければ、この舞台で富くんのお芝居を生で見ていなければ、今もこうして応援してないだろうし、彼のお芝居に憑りつかれてないなぁって思います。
それだけのターニングポイントになっています。
吉祥寺で「ずっと応援しよう」って心に決めました。笑

とはいえ今日までというか今も見返していないのでめちゃくちゃ美化された記憶になってるかもなぁなんて思いながらも、でもあの時の感動とかざわついた気持ちは新鮮なまま1年間何度でも呼び起こせます。

隣の主宰劇団ファンのお姉さんが全通なんです~最高で!みたいなこと言ってたのできっと美化されてたとしてもすごく良かったんだと思う…!!


まあ私がこれだけの思いを持ってても、実際問題チケットはあまり捌けが良くなかったみたいで、買ったときC列だったからまあ…と思ってたら最前でヒェッ…ってなったなぁ。それもこれもいい思い出ではあるのですが。
そもそもストーリーが万人受けするものではないのでこればかりは誘いにくいし仕方がないのかなぁって感じです…でも全人類に見てほしかった…最高に重みある世界観と富くんがマッチングしていて、世界に吸い込まれそうになりました。

 

どんなお話なのかというと、こちらあらすじ引用です。

 

その街は炭鉱であった。
大きな何かは判らない荘厳な塔のような機械のような古びた建物。
石灰の匂いと白い埃、希望を求めて人々はほこりを巻きちらし穴を掘り続けた。
その営みの中、少女が産まれた。
貧しい家族にとってそれは望まれていない生命であった。
ある日、炭鉱と置屋のオーナーであるモトヤマが連れてきたのは、10歳のその少女だった。

イチカです。何も知りません。色々教えてください。」

少女は教えられた通りに言葉を発した。
炭鉱夫たちは金を払い少女で自身を慰める。
少女はモトヤマの息子のヒロトと出会う。
彼の読む物語を通して、イチカは世界を知って行く。
彼女の持つ信念を通して、ヒロトは自分を知って行く。
運命を受け入れる少女と、運命を壊したい少年の心は、どこに答えを見つけるのだろうか...

「大人って寂しいのよ。だから近くの誰かを求めるの。
でも子供はそんなこと必要ないの。だって一人じゃないってことを知っているから」

引用元:Allen suwaru旗揚げ本公演 舞台「空行」公式ホームページ


そんな感じでざっくりいうと少女の売春婦が主人公のお話なのです。
捌けない理由も分かるぐらい題材が重たいんだ…苦手な人もいるだろうし、なかなかこれは切り込んだストーリーなんだろうなぁと…アフト目当てでもいいから~って声かけたけどなかなか受け入れがたい部分はあると思うし厳しいなあって断られたし…
(+ネガキャンになるので伏せますが、メンバーやHPで団体を察せるのも理由かなぁなんて)

 

というわけで以下、ネタバレ付きの感想。

 ざっとあらすじの補足をしつつ役の説明をすると富くんが演じていたのは売春宿を経営している男モトヤマの息子ヒロト
ヒロトは本を読むことが好きで、知らないことを知ることが好き。そんな町の中でも教養のある子です。
それから、ヒロトのお母さんは家を出て行ってしまっています。
そもそもここは炭鉱の町。モトヤマも炭鉱夫で、炭鉱の経営者です。
なのにそんな宿を経営するに至ったのも母親がいなくなったのも金への執着が招いたことでした。

そんな売春宿に連れてこられた少女がイチカ
イチカヒロトは同い年で、彼女は母親に売られてここへ来ました。
自分で稼いだお金は母親の元に。
だから母さんの為に頑張るんだ、と笑顔で話します。

それからもう一人ルリという少女も出てくるのですが彼女については深く語られていないです。ヒロトとはあまり関わりがなく、イチカとの関係性が大切な子、それからこの悲しい世界の要を背負って体現する役割だと思います。


この作品を見てよかったなぁって思うのは1つの作品、2時間ぐらいの中でいろんな幅の富くんを見れたこと。それから、とても距離の近い劇場でお芝居が見れたことです。

全部取り上げていくとキリがないので、好きなシーンのみ取り上げていきます。


まず舞台は高低差の無いふらっとタイプで、座席はステージ周りをコ型に配置されていて、シンプルで寂しさの溢れる白と黒の空間でした。

物語は二人の会話から始まります。
イチカにおはようというヒロトと、寝てないわというイチカ。最後まで見るとここが一番幸せなシーンだった気がして、2回目、3回目がつらかったなぁ。
このシーンはこの導入と、本編の最後の方でも出てきます。初見のときは見え方が違くてざわっとした。意味が出てくるってこういうことかと。

そのあとヒロトが一人になって、明るくこちらに話しかけてきます。
この物語がどういう世界の話なのかを説明をしてくれる感じ。
途中ナウシカの話をしてくるのですが、ナウシカのワンシーンを再現するのがあまりにもかわいくって。
それにその時の富くんは一人一人の目を見て話しかけてくれていました。

もうこのとき「あぁ、好き!」って思ったんですよね。
富くんのことが大好きで堪らなくなったんです。
それまでは仮面ライダーアマゾンオメガ/水澤悠だと思っていた彼を、藤田富くんとして、彼の演じているヒロトとして、そのとき好きになったんです。

劇場が狭いのもあったかもしれないですが、全員に寄り添って、全員がこの世界に入り込めるようにしてくれているって感じがして。
優しく手を引いて道を歩いてくれるみたいな。
なんてすごくポエミーな私に若干引いてますが笑


この空行という作品の中で富くんはヒロトを3パターンぐらい演じています。先述していたいろんな幅の富くんを見れた、というのはこの年齢の部分+冒頭の語りの部分のことです。
10歳(7歳だったかな)のヒロトと20歳のヒロト、年齢は分からないですがその間のヒロトも居ました。
本人もアフタートークで言っていたのですが180cm超えの男が10歳って…って不安がっていたようで。
でも、立ち方とか振る舞い、喋り方がもうすごく子供…!か、かわいい…
まあ、あの…話している内容は全然可愛くないんですけど。


「お金で母さんは買えない」
「お金があっても母さんは出て行った」


幸せってなんだろうね、なんて話をそんな小さい子がしているの、まあしんどい。

でも無邪気で純粋。分からないことは知りたい。でも全然答えは出ない。父さんは教えてくれないから。
でも父さん、教えてくれないんじゃなくて正解を知らなかったんだよなぁ。うーん。何とも子供はそこまで知らないだろうなぁ。
その知らないことを富くんは知っているけどヒロトは全然知らなそうだった。

まあひたすらにかわいいんです。序盤。かわいすぎる…
もうすごい子どもなんですいやもうほんと。

後半もっとつらいのでとりあえずここだけでもいいからいろんな人に見せたい!って感じでした。
年齢の方に気を取られるわけじゃなく、しっかりお芝居の部分、感情的な部分も作り込まれていてよかったなぁと思います。


あとは大人になったヒロトのワンシーンです。

ヒロトは町の外に出て勉強がしたかったのですが、それは許されませんでした。炭鉱夫の息子は炭鉱夫。
そんなの嫌だ!って自棄になって、寂しさを紛らわせたいヒロトイチカを買ってしまうのです。

震える手でお金を取り出すヒロトヒロトは他の大人とは違うと思っていたイチカの顔が一気に死にます。

踏み込んだことになるけど、好きな人を好きに愛せない世界なのだろうと私は思いました。
愛の形は人それぞれですが、その炭鉱の町では愛はお金で買うものである、という考えが普通なんだよ、そういう価値観の人が町の経済を取り仕切ってるんだよ、って感じに見えて。

「俺は父さんとは違う、炭鉱夫になんかならない」と言っていたヒロトは好きな人を愛するために、手にするための方法をそれしか知らないのかなって。
間違えていることは知っているはずなのに。


お金を出してから、自分は父さんと違うと言っていたのに同じことをしていたんだと気が付いたヒロトの表情の死んでいき方、移り変わりがもう、すごい、大好き…


富くんのお芝居が好きで、いろいろとみてみたい人は本当にお手に取っていただきたいです。
DVD欲しすぎてめちゃくちゃHP更新しまくっていたのでTwitterでお知らせが出てめちゃ沸きました。当時、予約するお金が無かったんだもの。


改めましてリンク↓
https://allen.shop-pro.jp/


無限に記憶からの感想なのでまとまりもありませんが、すごく好きだなぁ、と思う表現がたくさん詰まっていた舞台でした。
DVDが手元に来たらまた見直して感想を書き直したい。笑